@ガザ
「私の家族だったようだ。病院に行く」。電話から聞こえてくる声は、動揺していた。12月13日の夜のことだ。
イスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザは、イスラエルの封鎖で、記者が自由に入って取材できない。私は現地に住むムハンマド・マンスール通信員と毎日、電話やメッセージで連絡を取りながら取材を続けている。
電話は彼からだった。直前まで、ガザで起きた空爆での死傷者と現地の様子について、メッセージでやりとりをしていた。
特派員メモ
世界各地で日々ニュースを追っている朝日新聞記者が取材や暮らしの中で感じたことをつづった「特派員メモ」。トランプ前米大統領の返り咲きなど、大きな国際ニュースが相次いだ2024年を振り返ったコラムを年末にまとめて配信します。長年紙面でご愛読いただいているコラムをお読みください。
南部ハンユニスで多くの子どもが巻き込まれているようだ。何人ぐらいだろうか――。いつもの淡々としたやりとりをいったん終えた後の電話だった。
その3時間後。動画が送られ…